実家が空き家になったら何をすべき?相続手続きから節税術

2026.2.13

親が亡くなり、実家が空き家になった時、悲しむ間もなく押し寄せてくるのが「相続手続き」と「税金」の問題です。 「落ち着いてからやればいい」と後回しにしていると、国からのペナルティ(過料)を受けたり、数百万円単位の節税チャンスを逃したりすることをご存知でしょうか?

【STEP1】まずは「相続登記」!2024年から義務化されたルールとは

実家を売るにしても、貸すにしても、まず最初に行わなければならないのが「不動産の名義変更(相続登記)」です。 亡くなった親の名義のままでは、不動産会社に売却を依頼することすらできません。

特に注意が必要なのは、2024年4月1日から「相続登記が義務化」された点です。 これまでは放置しても罰則はありませんでしたが、今後は「相続を知った日から3年以内」に登記申請を行わないと、最大10万円の過料が科される可能性があります。

まずは、以下の手順で進めましょう。

遺言書の確認: 遺言があれば、それに従います。

相続人の確定: 戸籍謄本を集め、誰が相続人かを調査します。

遺産分割協議: 誰が実家を相続するか、相続人全員で話し合って決めます(ここが一番揉めやすいポイントです)。

【STEP2】放置は危険!「特定空き家」のリスクと固定資産税

「名義変更は終わったけれど、活用予定がないからとりあえず持っておこう」 この考えが一番危険です。

人が住まなくなった家は急速に劣化します。庭木が隣家に越境したり、屋根瓦が落下したりして近隣トラブルになると、自治体から「特定空き家」に指定される可能性があります。

特定空き家に指定され、勧告を受けると、「住宅用地の特例(固定資産税が1/6になる減税)」が解除されてしまいます。つまり、何もしていないのに、毎年払う税金がいきなり6倍に跳ね上がるのです。

空き家を所有し続けるなら、定期的な換気や草むしりが必須となりますが、遠方の場合は管理代行サービス(月額5,000円〜1万円程度)を利用するのも一つの手です。

【STEP3】売るなら絶対使うべき!「3,000万円特別控除」の節税術

「管理できないから売りたい」と考えた時、絶対に知っておくべき最強の節税制度があります。 それが「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」です。

通常、不動産を売って利益が出ると約20%の税金がかかりますが、この特例を使えば、売却益から最大3,000万円を差し引くことができます。つまり、多くのケースで税金がゼロになります。

ただし、この特例を使うにはいくつかの厳しい条件と「期限」があります。

期限: 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。
建物: 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準)であること。
要件: 売却時までに「耐震リフォーム」をするか、または「解体して更地」にすること。

※2024年(令和6年)以降の売却では、引き渡し後の翌年2月15日までに買主が解体・耐震改修する場合も対象になりました。

この「3年」という期限を過ぎてしまうと、数百万円の税金を余分に払うことになります。だからこそ、早めの決断が必要なのです。

まとめ

実家が空き家になったらやるべきことは、以下の3ステップです。

・相続登記(名義変更)を速やかに行う(義務化対応)。
・所有し続けるなら管理を徹底し、固定資産税6倍のリスクを防ぐ。
・売却するなら「3,000万円特別控除」の期限(約3年)内に動く。

実家は「思い出の場所」ですが、放置すれば「金食い虫」に変わってしまいます。 ご家族が元気なうちに話し合っておくのがベストですが、もし既に空き家になっているなら、まずは相続専門の司法書士や、私共、解決不動産のような空き家活用に強い不動産会社に相談し、現状を把握することから始めてみてください。