空き家相続は、資産になることもあれば、負債(負動産)としてあなたを苦しめることもあります。維持するにしても放置するにしても、それぞれに重大なリスクとコストが潜んでいます。この記事では、空き家相続で後悔しないために知っておくべき「維持・売却・放置」それぞれのリアルなリスクと、あなたにとって最適な選択肢を見極めるための正しい判断方法を解説します。
目次
空き家を「放置」するリスク。税金6倍と損害賠償の恐怖
「とりあえず忙しいから後で考えよう」
この「放置」が、実は最も危険な選択肢です。誰も住まない家を放置し続けると、行政からのペナルティや近隣トラブルなど、金銭的・法的なリスクが雪だるま式に膨れ上がります。
「特定空き家」指定で固定資産税が最大6倍に
最大の金銭リスクは税金です。
通常、住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」により、固定資産税が最大1/6に減額されています。しかし、倒壊の危険や衛生上の問題があるとして自治体から「特定空き家」に指定されると、この特例が解除されます。
その結果、固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。年間10万円だった税金が、ある日突然60万円になることを想像してください。放置は「節税」どころか、資産を食いつぶす「増税」の原因となります。
損害賠償責任はすべて所有者に
老朽化した空き家は、災害時に凶器となります。
台風で屋根瓦が飛んで隣家の車を傷つけた、外壁が崩れて通行人に怪我をさせたといった事故が起きた場合、その責任(工作物責任)はすべて所有者であるあなたが負います。数千万円単位の損害賠償を請求されるリスクと、常に隣り合わせの生活になります。
資産価値の暴落と「負動産」化
家は人が住まなくなると、急速に劣化します。換気がされない室内は湿気でカビだらけになり、シロアリ被害や雨漏りも進行します。数年放置しただけで、建物としての価値はゼロになり、解体費用(数百万円)だけがかかる「負動産」へと変わり果ててしまいます。
空き家相続の3つの選択肢。「放棄・維持・売却」の正しい判断基準
では、相続した空き家をどうすればよいのでしょうか。主な選択肢は「相続放棄」「維持(活用)」「売却」の3つです。それぞれのメリット・デメリットと、判断基準を見ていきましょう。
1. 相続放棄:資産価値がなく、借金が多い場合
「相続放棄」は、プラスの財産(預貯金など)もマイナスの財産(借金・空き家)も、すべて一切受け継がないという法的な手続きです。
メリット: 空き家の管理責任や税金の支払い義務、親の借金から完全に解放されます。
デメリット: 実家以外の預貯金なども一切相続できません。また、「相続開始を知った時から3ヶ月以内」に家庭裁判所に申し立てる必要があり、期限が非常に短いです。
判断基準: 空き家の資産価値が低く、解体費用や管理費の方が上回る場合、かつ親に多額の借金がある場合は、放棄が賢明な選択です。
2. 維持・活用:立地が良く、収益化が見込める場合
リフォームして賃貸に出したり、更地にして駐車場経営をしたりする方法です。
メリット: 毎月の家賃収入(不労所得)が得られ、資産として残せます。
デメリット: リフォーム費用や初期投資が必要です。入居者がつかなければ赤字になります。
判断基準: 駅に近い、周辺に需要があるなど、「借り手がつく立地」であるかが絶対条件です。思い入れだけで維持すると、固定資産税と維持費で赤字になり続けます。
3. 売却:現金化してリスクを断ち切りたい場合
最も推奨される、根本的な解決策です。「古家付き土地」として売るか、解体して「更地」として売るかを選択します。
メリット: 維持費や税金の支払いから解放され、まとまった現金(売却益)が手に入ります。将来のリスクを完全にゼロにできます。
デメリット: 売却には仲介手数料などの諸経費がかかります。
判断基準: 将来住む予定がなく、賃貸需要も不明確な場合は、資産価値が残っているうちに売却するのが経済的に最も合理的です。特に、相続から3年以内に売却すれば「取得費加算の特例」などで税金が安くなる場合もあります。
まとめ
空き家相続において、「放置」だけは絶対に避けるべき選択です。リスクを先送りすればするほど、建物は朽ち、税金は増え、解決の難易度は上がります。
まずは、不動産会社に査定を依頼し、あなたの空き家に「どれくらいの価値があるのか(売れるのか)」を把握することから始めましょう。
価値がない・借金がある → 3ヶ月以内に相続放棄
価値がある・現金化したい → 早めに売却
収益が見込める → 活用
現状を正しく把握し、感情ではなく経済合理性に基づいて、あなたと家族の未来を守るための「決断」を下してください。
ただ、自分おひとりではなかなか難しいものです。
そのような時は空き家解決のプロである私共、解決不動産にお気軽にご相談くださいませ。
