2025年内に使える東京都内の空き家解体補助金は何がある?

2025.9.23

空き家を所有している方にとって、解体費用は大きな負担となります。木造住宅の解体でも80~150万円、鉄骨造やRC造では200万円を超えることも珍しくありません。しかし、東京都や各自治体が実施している解体補助金を上手に活用すれば、費用負担を大幅に軽減できる可能性があります。

本記事では、2025年内に申請可能な東京都内の空き家解体補助金について、最新の情報をもとに詳しく解説します。

東京都の包括的な支援制度

■東京都空き家家財整理・解体促進事業
東京都では、空き家状態の早期解決及び空き家の利活用等を推進するため、空き家の家財整理又は解体に係る費用の一部を補助する制度を設けています。

この制度により、都内に所在する空き家の所有者等に対し、家財整理又は解体に係る費用の一部を助成することで経済的な負担を軽減し、空き家の流通や利活用、除却等の空き家問題の解決を促進しています。

この都レベルの制度は、市区町村の補助金と併用できる場合もあるため、該当する方は必ずチェックしておきましょう。

東京23区の解体補助金制度

■高額補助が期待できる区

港区:民間建築物耐震化促進事業

補助金上限額7,000万円という非常に高額な支援を行っています。昭和56年5月31日以前の旧耐震基準により設計された建築物が対象です。

中野区:老朽建築物の解体除却費の補助

耐用年数の3分の2を超過している建築物を対象に、補助上限額840万円の支援を提供しています。

墨田区:都市防災既存建築物除却助成事業

昭和56年5月31日以前に建築された建築物を対象に、木造の場合は補助上限額210万円、非木造の場合は600万円の支援があります。

■中規模支援を行う区

板橋区:老朽建築物等除却費助成事業

特定空家等又は特定老朽建築物に認定された建築物を対象に、補助上限額200万円を支援しています。

杉並区:木造住宅密集地域の除却建物への助成制度

昭和56年5月31日以前に建築された平屋または二階建てを対象に、補助上限額150万円を提供しています。

練馬区:住宅の耐震改修工事等の助成

昭和56年5月以前に新築工事に着手した旧耐震住宅を対象に、補助上限額130万円を支援しています。

■基本的支援を行う区
台東区、江東区、目黒区、荒川区、江戸川区などでは、補助上限額50万円の支援制度を設けています。これらの区では、主に昭和56年5月31日以前の旧耐震基準で建築された建築物が対象となっています。

東京都市部の解体補助金制度

■特に注目すべき市の制度

八王子市:未耐震空き家除却支援補助金

昭和56年5月31日以前に建築されている住宅を対象に、補助金上限額100万円を支援しています。空き家に特化した制度として注目されます。

あきる野市:木造住宅耐震改修費助成制度

市の助成により耐震診断を受け、「倒壊する可能性が高い」または「倒壊する可能性がある」と診断された住宅を対象に、補助上限額110万円を提供しています。

西東京市:木造住宅耐震改修等助成制度

昭和56年5月31日以前に建築された市内に存する木造住宅を対象に、補助上限額90万円を支援しています。

その他の市の制度

調布市(80万円)、大田区(75万円)、国分寺市(70万円)、立川市・多摩市・府中市・武蔵野市(50万円)など、多くの市で30~80万円程度の補助金制度が設けられています。

補助金申請の基本的な条件

■共通する主な条件
・建築年数の条件:多くの制度で昭和56年5月31日以前の旧耐震基準の建物が対象
・耐震診断の実施:事前に耐震診断を受け、安全性に問題があると判定されること
・所有者要件:建物の所有者であること
・居住要件:一定期間使用されていない空き家であること
・事前申請:工事開始前に必ず申請を行うこと

■注意すべきポイント
・必ず事前相談を行う
補助金には「事前申請が必要」「条件を満たす必要がある」などの注意点があるため、まずはお住まいの自治体に相談することから始めましょう。

・年度予算の制約
多くの自治体では年度予算に上限があるため、早期の申請が重要です。2025年度の申請受付期間や予算残高を確認しておきましょう。

効果的な補助金活用戦略

複数制度の併用検討

東京都の制度と市区町村の制度を併用できる場合があります。最大限の支援を受けるために、複数の制度への同時申請可能性を確認しましょう。

専門家との連携

耐震診断や解体工事は専門的な知識が必要です。補助金申請に詳しい建築士や解体業者と連携することで、スムーズな申請と工事が可能になります。

税制面での考慮

空き家の解体により更地にすることで、売却や土地活用の選択肢が広がります。ただし、固定資産税の住宅用地特例がなくなる点も考慮した総合的な判断が必要です。

まとめ:2025年は空き家解体の好機

2025年現在、東京都内では都道府県レベルから市区町村レベルまで、幅広い空き家解体支援制度が整備されています。特に港区の7,000万円、中野区の840万円など、高額な補助金を提供する自治体もあり、空き家所有者にとって大きなチャンスといえます。

重要なのは、必ず工事前に申請を行うことと、自治体ごとに異なる条件を正確に把握することです。まずはお住まいの自治体の担当課に相談し、利用可能な制度を確認することから始めましょう。

空き家は放置すればするほど状況が悪化し、結果的に解体費用も高額になります。2025年内に利用できる補助金制度を活用して、計画的な空き家対策を進めることをお勧めします。