相続した空き家の売却で得する人・損する人の違いとは

2025.12.13

近年、相続した空き家をめぐる悩みが増えています。実は、空き家の売却において、正しい知識を持って素早く動いた「得する人」と、判断を先延ばしにした「損する人」とでは、最終的に手元に残るお金に数百万円もの差がつくことがあります。

この記事では、相続不動産の売却で後悔しないために知っておくべき、得する人と損する人の決定的な違いを解説します。

知識の差が手取りの差!売却で「得する人」の3つの特徴

不動産売却で利益を最大化できる人は、単に高く売るだけでなく、「税金」や「経費」を賢く抑える術を知っています。得する人が必ず押さえている3つのポイントを見ていきましょう。

「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」をフル活用している

最も大きな差がつくのが税金対策です。 通常、不動産を売って利益が出ると約20%の税金がかかります。しかし、一定の要件(昭和56年5月31日以前の建築、耐震基準の適合など)を満たした相続空き家を売却する場合、利益から最大3,000万円までを控除できる特例があります。

得する人は、この特例の期限が「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」であることを理解し、必ず期限内に売却を完了させています。これにより、税金をゼロ、あるいは大幅に減額させることに成功しているのです。

固定資産税の「賦課期日」を意識してスピード売却する

不動産を所有している限り、毎年かかり続けるのが固定資産税です。この税金は、毎年1月1日時点の所有者に課税されます。

損する人は「いつか売れればいい」とダラダラ所有し続け、無駄な税金を何年も払い続けます。一方、得する人は「1月1日をまたぐ前に手放す」ことを意識してスケジュールを組みます。売却活動をスピーディーに行うことで、維持費という「見えない損失」を最小限に抑えているのです。

「解体して売る」か「古家付きで売る」かの判断が的確

「古い家は解体して更地にした方が売れる」とは限りません。 解体には数百万円の費用がかかる上に、更地にすると「住宅用地の特例」が外れ、土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がるリスクがあります。

得する人は自己判断で解体せず、まずは「古家付き土地」として市場に出し、需要を見極めます。または、買主と相談して「解体渡し」の特約を結ぶなど、リスクを回避する売り方を選んでいます。

放置は厳禁!「損する人」が陥る負のスパイラル

逆に、最も損をするのは「判断の先送り」です。 空き家を放置し続けると、建物は急速に劣化し、資産価値が下落します。さらに、倒壊の危険がある「特定空き家」に行政から指定されると、固定資産税の優遇措置が解除され、税負担が激増する可能性があります。

また、相続人が複数いる場合、時間が経つほど権利関係が複雑になり、売りたくても売れない「塩漬け物件」になってしまうケースも少なくありません。

まとめ

相続した空き家の売却で「得する人」になるための条件は、以下の通りです。

・3,000万円特別控除の特例期限(約3年)を守る
・固定資産税の課税タイミングを意識して早く動く
・解体の判断を慎重に行い、無駄な出費を防ぐ

不動産は「持っているだけ」でコストがかかる資産です。相続が発生したら、少しでも早く専門の不動産会社に相談し、査定や税金のシミュレーションを行うことが、あなたの大切な資産を守る第一歩となります。