この手があった!空き家を救った“逆転発想”の解決事例とは

Aさん(40代)
2025.9.9

トラブルの概要

東京都心から電車でわずか1時間半、緑豊かな丘陵地帯に位置するAさん(40代)の実家は、両親が他界してから10年、手つかずのまま放置されていました。築50年の木造建築は、見る影もなく朽ち果て、雑草は手のひらサイズの巨大な葉をつけ、窓ガラスは埃まみれです。

「売ろうにも築年数が古すぎる。かといって、解体費用は数百万円。手元にまとまったお金もないし、どうすることもできない…」

今回の空き家解決事例はこのように金銭面で非常にお困りのAさまの逆転劇になります。
空き家問題を解決したいけど金銭的に厳しい、かと言って毎年削られる固定資産税はボディーブローのように効いてくるといったあなたさまは是非参考にしてみてください。

トラブル解決に向けてのポイント

「壊す」から「貸す」へ!想定外の提案


ある日、Aさんはふらっと見かけた解決不動産の空き家対策セミナーに参加しました。
そこで出会ったのが、ユニークな活動をしている解決不動産の担当者でした。

Aさんは、半ば諦めながら実家の状況を説明しました。
すると、担当者は意外な提案をしました。

「壊すなんてとんでもない!この古民家は宝ですよ。このままの状態で、『DIY可能な賃貸物件』として貸し出してみませんか?」

「DIY可能?」Aさんは耳を疑いました。
普通、賃貸物件はきれいにリフォームしてから貸し出すのが常識です。
ボロボロの古民家をそのまま貸すなんて、一体誰が借りるというのでしょうか?

担当者は続けました。
「最近、『DIYで自分好みの空間を作りたい』という若い世代が増えているんです。特に郊外の古民家は、広い庭や縁側、太い梁など、都会のマンションでは手に入らない魅力があります。家賃を相場より安く設定すれば、必ず借り手は見つかります。」

この「逆転の発想」に、Aさんの心は揺さぶられました。「解体費用を捻出する」という重い課題から解放され、「収益を生む資産に変える」という全く新しい選択肢が目の前に現れたのです。

空き家が“クリエイターの聖地”に


Aさんは担当者の言葉を信じ、実家を「DIY可能な賃貸物件」として空き家バンクに登録しました。内装は手をつけず、最低限の清掃と、水回りの修理だけを行いました。

すると、すぐに申し込みがありました。借り手は、都心で働く30代の映像クリエイターです。彼は「都会の喧騒から離れて、創造性を発揮できる場所が欲しかった。この古民家なら、自分の手で理想のスタジオを作り上げられる」と熱く語ってくれました。

彼は友人の大工やアーティストの協力を得て、ボロボロだった実家をセルフリノベーションし始めました。床を張り直し、壁を漆喰で塗り、縁側には自作のウッドデッキを設置。庭には小さな畑も作りました。

やがて、その古民家は「クリエイターが集まる秘密基地」として知られるようになり、彼のSNSを見た多くの人々が訪れるようになりました。

トラブル解決の対応と結果

負動産から、地域の宝へ


Aさんの実家は、もはや単なる空き家ではありません。固定資産税の負担から解放されただけでなく、家賃収入を得る「資産」に生まれ変わりました。そして何より、クリエイティブな才能が集まるコミュニティの場として、再び活気を取り戻したのです。

Aさんは、今では実家に行くことが楽しみになりました。

「あの時、『壊す』という常識に囚われず、『このまま貸す』という逆転の発想にかけたから、この奇跡が起きたんだと思います。負の遺産だと思っていた家が、こんなにも多くの人を幸せにする場所になるなんて…。」

空き家問題は「負の課題」と捉えられがちです。しかし、この事例が示すように、発想を変えるだけで、空き家は地域に新しい価値と活力を生み出す「宝」になり得るのです。

解決不動産は1軒でも多くの空き家を必要としてくれる方への橋渡しをしております。
空き家問題にお困りのあなたさまはお気軽にご相談ください。