知らないと損!空き家を手放すときの税金・費用のすべて

2025.5.30

使っていない実家や親から相続した空き家。固定資産税だけ払い続けていたり、遠方にあるため管理の手間と費用がばかにならないと感じていたりしませんか?手放したいと思っても、「どんな税金がかかるの?」「費用はどれくらい?」と不安に感じる方も少なくありません。知識がないまま進めてしまうと、思わぬ出費に後悔することもあります。

空き家を手放す際には、様々な税金や費用が発生します。この記事では、あなたが知らないと損をする可能性のある税金と費用のすべてを詳しく解説。賢く手放し、余計な出費を抑えるためのポイントをご紹介します。

1.空き家を「売却」する際にかかる税金

空き家を売却して手放す場合、主に以下の税金が発生する可能性があります。

譲渡所得税(所得税・住民税)

不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課税される税金です。
譲渡所得は「売却価格 – (取得費 + 譲渡費用)」で計算され、この譲渡所得に税率をかけて計算されます。

税率は、所有期間によって異なり、所有期間が5年以下だと「短期譲渡所得」(所得税30.63%、住民税9%)、5年超だと「長期譲渡所得」(所得税15.315%、住民税5%)となり、長期譲渡所得の方が税率は優遇されます。

知っておきたい優遇措置

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除: マイホームを売却した場合(一定の要件あり)、譲渡所得から3,000万円を控除できます。空き家であっても、亡くなった親が住んでいた家を相続して売却する場合など、一定の要件を満たせばこの特例を利用できる可能性があります。

空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除: 「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」とも呼ばれます。相続した空き家(昭和56年5月31日以前に建築されたものなど、要件あり)を耐震リフォームするか、または解体して売却した場合に、譲渡所得から3,000万円を控除できる特例です。この特例の適用には細かな条件があるため、必ず税理士や税務署に確認しましょう。

印紙税:
不動産売買契約書に貼付する印紙税です。契約金額によって税額が異なります。

登録免許税:
抵当権を抹消する際などに必要となる税金です。

2.空き家を「売却」する際にかかる費用

税金以外にも、売却時に様々な費用が発生します。

仲介手数料: 不動産会社を通じて売却する場合に、その不動産会社に支払う手数料です。宅地建物取引業法で上限が定められており、「(売却価格×3%+6万円)+消費税」が一般的です。売却価格に応じて変動します。

測量費用: 土地の境界が不明確な場合や、売却の条件として買主から求められた場合に、土地家屋調査士に依頼して測量を行う費用です。

解体費用: 建物を解体して更地で売却する場合に発生します。木造か鉄筋か、延床面積、立地条件(重機が入れるかなど)によって大きく変動しますが、数百万円かかることが一般的です。

リフォーム・クリーニング費用: 売却を有利に進めるために、簡易なリフォームやハウスクリーニングを行う場合に発生します。必須ではありませんが、買主への印象を良くし、早期売却や高値売却に繋がる可能性があります。

残置物撤去費用: 売却する空き家の中に、不要な家具や家電、生活用品などが残っている場合に、それらを処分する費用です。

その他費用: 司法書士への報酬(所有権移転登記など)、ローンの繰上返済手数料、引っ越し費用(売却前に居住している場合)など。

3.「売却以外」で手放す際にかかる可能性のある税金・費用

売却以外で空き家を手放す場合も、状況に応じて費用が発生します。

固定資産税・都市計画税: 空き家を所有している間は、毎年これらの税金が発生します。解体して更地にした場合、住宅用地の特例が適用されなくなるため、固定資産税が最大で6倍になる可能性があります。

管理費用: 手放すまでの間も、清掃、草むしり、通風、修繕など、適切な管理を行うための費用が発生します。遠方であれば、管理業者への委託費用もかかります。

相続放棄にかかる費用: 相続放棄は、相続開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。弁護士に依頼する場合は、数万円~数十万円の費用がかかることがあります。相続放棄をしても、次の相続人が見つかるまでは管理責任が生じる場合があります。

寄付にかかる費用: 自治体や団体に寄付する場合でも、寄付を受ける側が登記費用や測量費用などを寄付者に求めることがあります。また、建物の老朽化が著しい場合は、解体費用を寄付者側が負担しなければならないケースもあります。

まとめ

空き家を手放す際には、売却であれ、売却以外であれ、様々な税金や費用が発生します。特に、譲渡所得税の特例や、解体費用、仲介手数料などは大きな割合を占める可能性があります。

知らないと損をする可能性のあるこれらの税金や費用を事前に把握し、計画的に行動することが、後悔なく空き家を手放すための鍵です。